フッ化物配合歯磨剤について

わが国を含め、多くの国で、フッ化物配合歯磨剤のシェアは90%に達しており、様々なフッ化物応用法の中で圧倒的に多数の人々に利用されています。先進諸外国では、この30年間にむし歯の大きな減少を経験していますが、フッ化物配合歯磨剤の普及が共通の要因であると評価されています。
わが国では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として位置づけられ、配合フッ化物は、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)の3種類が承認されており、いずれの場合もフッ化物濃度は1,000ppm(0.1%)以下と規定されています。
フッ化物配合歯磨剤の安全性
フッ化物配合歯磨剤の安全性は、洗口や吐き出しのできない年齢層の口腔内残留フッ化物量が問題となります。ある研究によると、1~4歳児ではブラッシング後、49%が口をすすがず、また、すすいでも吐き出しができるのは2.5歳未満児で5%、2.5~4歳児で32%でした。すなわち4歳以下では、使用した歯磨剤のほとんどを飲み込んでいるとみることができます。一方、歯のフッ素症の発現リスクは、6歳以下の幼小児期に集中し、とくに、審美的に問題とされる上顎中切歯が歯のフッ素症にかかる臨界期は1~3歳であるので、低年齢児によるフッ化物配合歯磨剤の使用が「歯のフッ素症のリスク・ファクター」としての意義が論議されるのです。
6歳未満児におけるフッ化物配合歯磨剤の使用に関する注意事項
6歳未満児におけるフッ化物配合歯磨剤の使用についての注意事項を列挙すると、つぎのようになります。すなわち、(1)使用量はpea-size(豆粒大)で幼児用歯ブラシの1/2の量を規準とする。(2)3歳未満では1日1回、3歳以上では1日2回(就寝時と他に1回)使用する。(3)幼児が白分で磨くときは、適量の歯磨剤を保護者が歯ブラシにとり、ブラッシングの間、監督する。(4)歯磨剤の吐き出しや洗口を練習させる。(5)使用直後の飲食を控える、などです。